聖籠町国民健康保険診療所

医師の異動による引継不安が解消。地域のモデルケースとなりうる先進的な体制を構築

課題
  • 希望する仕様でネットワーク構築を引き受けてくれる業者が地元で見つからなかった
  • 院内ネットワーク設備が古く、資料もないためネットワーク構成が把握できていなかった
  • 医師の異動時に後任の医師へスムーズに引き継ぎができる体制作り
解決策
  • ヤマハネットワーク機器の販売総代理店に対応ができそうな企業を紹介してもらった
  • 院内ネットワークの再構築と詳細なネットワーク資料の作成
  • Clinic-Netを活用してネットワーク管理者を設置した
効果
  • 仕様の要求事項が全て実現でき、地域のモデルケースとなりうる先進的な体制ができた
  • どこに何が接続しているのか一目瞭然になり、想像以上に柔軟なネットワークになった
  • 後任の医師への引き継ぎに不安がなくなった

ご検討のきっかけは?

電子カルテの導入にあわせて、老朽化した院内ネットワークも同時に見直すことにしました。良い機会なので、地域の医療・看護・介護等の情報を一元管理できるシステム「ときネット」への接続、ときネットと院内の医療情報システムの連携、AWSへの接続などもしたかったのですが、希望する仕様でネットワーク構築を引き受けてくれる企業が地元では見つからず困っていました。診療所ではヤマハネットワーク機器も使われていたので販売総代理店のSCSK株式会社に相談をしたところ、テックデザインさんをご紹介いただいたのがClinic-Netを検討したきっかけです。

当院は町営の診療所なので医師にも異動があります。そのため、自分がいなくなってもスタッフや後任の医師が困らないように引き継ぎがスムーズにできる管理・維持体制も同時に作る必要がありました。院内ネットワークの管理者になってもらえるClinic-Netはその点においてまさに求めていたサービスでした。

聖籠町国民健康保険診療所 西野 克彦 所長 聖籠町国民健康保険診療所
西野 克彦 元所長
2021年3月退職

導入の決め手、注目した理由は?

地元企業が難色を示すなかで、すぐに「できる」と言ってくれたことが決め手になりました。今後もやりたいことは増えると思っていましたので、それに対応できる企業を探す必要もありました。打ち合わせの説明や提案内容、質問に対する返答に技術力の高さと安心感を感じたことも後押しとなりました。

院内ネットワークは10Mbpsや100Mbpsの古いネットワーク機器もあれば、比較的新しいヤマハのルーター「NVR500」とL2スイッチ「SWX2200-8G」もある状況でした。コスト削減のためネットワークの新規構築後も再利用したかったので、ヤマハネットワーク機器に強い専門家に基幹部分を全てヤマハネットワーク機器で構築してもらえるのは魅力に感じました。

導入の効果はいかがですか?

地域のモデルケースとなりうる先進的な体制ができた

「ときネット」は新潟市を除く下越地域の医療・看護・介護等の情報を一元的管理できる統合システム(医療介護協働基盤)なのですが、院内情報システムと切り離して運用している場合が多く、電子カルテを導入していても別の端末から人の手で転記する必要があります。転記は人が行う作業なので人的ミスが発生するおそれがありますし、入力に時間がかかります。私は医療情報システムの開発もしているのですが、院内情報システムにあるデータはシステムから直接ときネットに渡せるようにしたいと考えていました。

院内情報システムから直接VPNでときネットに接続し、電子カルテの情報、特に患者サマリーをFileMakerの院内情報システム経由で情報を転記することで当院が必要時にリモートで情報提供をできるようになったことはインパクトが大きく、当地域では先進的な体制と自負しています。地域の多くは医師不足に悩み、医師も地域に住んで働くよりも、新潟市から通勤して働くことを好んでいますが、看取りを含めた在宅診療の基本的な提供体制は現地にいなければできません。完全ではありませんが、この事例がリモートでも必要時に詳細な情報提供できる解決策のひとつとなると思います。また、中核都市に住む医師が地域で働きやすくなるようなデジタルトランスフォーメンション(DX)のモデルケースのひとつになればいいと願っています。

事前に考えていた以上に柔軟な運用ができるようになった

PCや医療機器の設置場所はいったん決めたら動かせないと思っていたのでかなり考え抜いて決めたのですが、実際に診療が再開すると機器の設置場所を変更したくなったり、色々と改善したい箇所がどうしても出てきます。事前に説明は聞いていましたが、各部屋のLANポートから接続できるネットワークを遠隔であとから自由に変更することができる柔軟性には驚きました。

異動による引き継ぎに不安がなくなった

ネットワーク管理者を設置し、詳細なネットワーク資料を作成したことで将来自分が異動する際の引き継ぎへの不安がなくなりました。ネットワークに関してもいつでも引き継ぎができる万全の体制ができたと思います。多少分からないことがあってもネットワーク管理者のテックデザインさんに聞けば分かる、ネットワークを全て自分で把握していなくてもいいのはとても気が楽ですね。
院内ネットワーク資料の一部 院内ネットワーク資料の一部

サポートはいかがですか?

営業担当者を介して技術的な話をすると回答が遅れがちで、齟齬が生じることも多いのが悩みでした。テックデザインさんはネットワークを構築した技術者がそのままネットワーク管理者となりサポートをしてくれるので、そうしたことが全くありませんでした。Slackで気軽に相談ができるのもいいですね。工事から1年ほど経ってからVPNの設定変更をしましたが、ネットワークを止めることなく全て遠隔で作業を完了することができました。サポートに関して新潟と東京の距離に不安や不便は感じていません。

保守管理契約は最も安価なBronzeプランが最も契約数が多いと聞きましたが、困った時には優先的にサポートしてもらえるようにひとつ上のSilverプランを契約しました。実際のサポートにはとても満足していますし、この内容と技術力で月額19,900円はコストパフォーマンスが高いと思います。Clinic-Netは現在のところ河野さんひとりで運営されているところが唯一の不安材料なので、人を雇って増員していただけるとより安心できますね。

西野所長と弊社代表の河野 西野所長と弊社代表の河野

Clinic-Netを利用して良かった理由をひとつ挙げてください

やはりなんと言ってもやりたかったことを全て実現できた、これに尽きます。ときネット、オンライン請求、リモートアクセスVPNと複数のVPN接続を担保して欲しいという要望が問い合わせをした地元企業から断られてしまっていたなか、引き受けてもらえて本当に良かったです。もし他の診療所からときネットの導入について相談をうけたら自信を持ってテックデザインさんを紹介します。