通信機器を密閉空間に閉じ込めていませんか?
「天井裏や端子板、配電盤の中に通信機器が設置されている」のは院内ネットワークあるあるのひとつですが、デメリットが大きすぎるので当社では非推奨としています。
- 熱がこもって通信機器の動作が不安定になる(熱暴走)
- 高温環境で機器の寿命が短くなる
メーカーが保証する動作環境温度は大抵の場合0〜40℃です。冬場はまだいいのですが、密閉環境では機器が発する熱で夏場は簡単に40度を超えてしまいます。安定した院内ネットワークを実現するためには、
「人間が快適な温度で過ごせる場所に通信機器を設置する」
ことを意識すると、意図せず劣悪な環境に通信機器を設置してしまうことが避けられます。
見た目だけを優先してしまっていませんか?
通信機器が天井裏や端子盤、配電盤の中に設置されてしまう理由は、
「雑然とした配線と機械を隠したいから」
に尽きると思うのですが、それではただの「臭いものに蓋」で根本的な解決になっておらず、メンテナンス性も最悪です。きちんと整理すれば下の写真のように整然と設置することは可能ですし、メンテナンスもしやすくなるのでトラブル時の対応速度が格段に変わります。
動作環境温度を気にしていますか?
環境温度を40℃未満に保とうとすると、密閉空間に閉じ込めず開けた場所に設置するのが鉄則ですが、どうしても天井裏や端子板の中に設置せざるを得ない場合もやはりあります。そんな場合、当社では動作環境温度が50℃まで対応しているヤマハネットワーク機器の利用を推奨しています。
空調がない場所でも端子盤の扉を開放すれば周辺温度が50℃に達することはまずありません。
見た目は悪いのですがネットワークの調子が悪くなってしまったら元も子もないので、夏場だけは扉を開けていただくようお願いしています。
下の画像は業務用ルーターと家庭用ルーターの仕様表から動作環境温度の部分を抜粋して比較したものです。いずれの製品も有名な国内メーカー製で現在容易に入手可能なモデルです。
業務用のヤマハは50℃まで対応しているのに対して、A社の家庭用のルーターは最上位モデルでも40℃、B社のモデルはさらに低い35℃となっています。おそらく皆さんの想像以上に通信機器は暑い場所が苦手で、実は密閉空間に閉じ込めるなどもってのほかであることが実感できると思います。
見た目だけを優先して院内ネットワークの調子が悪くなり、電子カルテや医療機器が使えなくなってしまったら本末転倒です。ルーターやスイッチはよく分からない難しい機械かもしれませんが、実は診療の土台を支えている大事な機器です。
安定した院内ネットワークを実現するための第一歩は、通信機器をできるだけ涼しい場所に設置することです。
少し気を配ってあげるだけで得られるメリットは大きいですよ。